2017年9月2日(土)に第9回FIT呼吸器外科研究会を行いました。お忙しい中、43名の先生方にご参加いただき感謝申し上げます。
一般演題では,福井県立病院外科の高山先生から「肺気腫に続発する高齢者気胸に対する胸腔鏡下結紮術の工夫と問題点」,福井赤十字病院呼吸器外科の福井先生から「昨年度に経験した右肺全摘後の気管支断端瘻の2例」を発表していただきました。術中や術後の合併症に対する対処について提示していただき,いずれも考えさせられる症例でした。
今回のテーマは「染み込みリンパ節や肺癌血管浸潤における血管処理」でした。金沢大学先進総合外科の懸川先生から「染み込みリンパ節や肺癌血管浸潤における血管処理」,富山市民病院呼吸器・血管外科の土岐先生から「心膜パッチを用いた肺動脈再建」を発表していただきました。頻繁に出くわす症例ではありませんが,出くわしたときに対処できる知識と手技を身につけなくてはなりません。今回の症例提示が参考になれば幸いです。
特別講演として,京都桂病院の寺田泰二先生に『区域間結合織の切離で行う胸腔鏡下解剖学的区域切除の理論と手術手法』のご講演をいただきました。鑷子を用いた剥離手技,区域間面の作り方など,理論的に教えていただき大変勉強になりました。施設によって様々な手術手技があることを学んだことと思います。
FIT呼吸器外科研究会は,北陸の呼吸器外科医がお互いの手術手技を勉強して情報を共有し,先輩の知識や技術を後輩に伝え,若手医師を育成することを目的としています。そして,通常の学会や研究会とは違って,優劣を競うことなく自由に話し合える場を提供することを目指しています。
今後も若手の先生の身になる研究会を作っていきたいと思います。討論したこと、学んだことを日常の診療に役立てていただければ幸いです。