平成30年3月17日(土)に第11回FIT呼吸器外科研究会を行いました。年度末のいろいろなイベントや学会の講習会などがあるお忙しい中,34名の先生方にご参加いただき感謝いたします。
<薬剤のレクチャー講演>
福井県立病院の清水陽介先生が「肺癌診療ガイドライン2017年版」について,化学療法の自験例を含めて講義してくれました。
<若手医師の手術>
今回も若手の先生のため,若手の先生の手術ビデオを供覧し,手術のどこが難しかったか指導者などと話し合うコーナーを設けました。厚生連高岡病院胸部外科の髙橋智彦先生,富山県立中央病院呼吸器外科の和田崇志先生に発表してもらいました。
両先生ともに初めての手術を上手に行っており,発表も自己分析をしっかり行い,上手にプレゼンテーションを行えていたと思います。
術者だけでなく指導側の先生にも勉強になるのではないでしょうか。手術経験の少ない若手の先生に手術をしてもらうのは,時として大変なこともあり,責任も重大ですが,若い先生たちの手術をする機会が増え,発表していただけることを期待しています。
<ミニレクチャー>
富山大学呼吸・循環・総合外科(第一外科)の本間崇浩先生に,以前アンケートを取った「胸腔ドレーンの固定」について,アンケート結果の報告を行っていただきました。本間先生が行ったドレーン固定に関する実験などについても詳細に教えていただきました。大変参考になる発表でした。
<テーマ:「気管支の処理」>
今回のテーマ演題は「気管支の処理」でした。富山市民病院呼吸器・血管外科 嶋田喜文先生が「右スリーブ上葉切除+気管支形成の1例」を,金沢大学先進総合外科の吉田周平先生が「自動縫合器による気管支処理のトラブルにどう対処するか」を,石川県立中央病院呼吸器外科の田中伸廣先生が「Staplerを使用しない気管支断端縫合の重要性」を,北陸中央病院外科の清水淳三先生が「広背筋皮弁充填術(+開窓状態)が有効であった手術後の難治性肺瘻性膿胸の1例」を発表しました。
いずれの発表も自分が手術を行うときに非常に役に立つ内容だったと思いますが,参考になりましたでしょうか。
今回も参加した先生方には積極的に討論していただきありがとうございました。中堅の先生方からの質問はよく聞かれるようになりましたが,もう少し若手の先生の質問が増えると良いと思います。
討論したこと,学んだことを日常の診療に役立てていただければ幸いです。また,研究会でこんなことをして欲しいということがありましたら,なんでも提案してください。